
実録 結婚詐欺|「マイクロソフト勤務」を名乗る男と、TVが暴いた衝撃の結末|足立区の探偵
結婚資金を貯めようと、出会い系アプリを始めた35歳のOL。
そこで出会ったのは、マイクロソフト勤務を名乗り、BMWを乗り回し、流暢な英語を話す男だった。
彼女が背負わされた被害は、現金とローンを合わせて1,200万円。だが、この事件には、テレビ放送の直後に明らかになる、もう一つの結末が待っていた。
出会い|BMWとグッチ、そして流暢な英語
依頼者の美樹さん(仮名・35歳)が、出会い系アプリで佐々山(仮名)と出会ったのは1年前。
佐々山は自称41歳。マイクロソフトに勤めていると言い、名刺まで持っていた。BMWを所有し、グッチのスーツで現れる。出会ってほどなく、2人は品川プリンスホテルで男女の関係になり、美樹さんは佐々山を心の底から愛してしまった。
佐々山は普段、セカンドカーとして新車の日産ブルーバードに乗っていた。
「今度、一緒にアメリカに行こう」
そう言って、佐々山は美樹さんに英語の勉強を勧めた。美樹さんは英会話塾に通い始める。佐々山は英語が堪能で、2人で会うときはいつも英語を教えてくれた。
マイクロソフトに勤め、BMWを駆り、英語を話す。そんな佐々山に、美樹さんは深く心酔していった。
借金|美樹名義の800万円ローンと、消えた現金400万円
ある日、佐々山が言った。
「新しいBMWを、美樹用に買おう」
大喜びする美樹さん。だが、なぜか800万円のローンは美樹さん名義で、使用者は佐々山名義だった。
名義は美樹さん、使うのは佐々山。しかもローンは延滞していた。自分の支払いで他人に車を乗り回させる――これもまた、立派な詐取である。
さらに、佐々山は次々と現金も借りていった。
- 「新幹線で鞄を盗まれた。顧客リストの入ったPCもなくした」
- 「弟が事故で心肺停止。意識不明で、治療費がいる」
あれよあれよという間に、美樹さんが貸した現金は合計400万円に達していた。BMWのローン800万円と合わせれば、その被害は1,200万円にのぼる。
付き合って1年。BMWのローンは延滞し、しかも美樹さんがそのBMWに乗せてもらったのは、買った直後の1回だけ。貸した現金も、まったく返済されない。10日に一度会うデートも、行き先はスーパー銭湯での英語の勉強ばかり。
相談|「こういうのって、詐欺ですか?」
色々と悩みあぐねた末、美樹さんは当事務所に相談に訪れた。
「こういうのって、詐欺ですか?」
「結婚詐欺ですね」
相談員は、そう言い切った。
当事務所は、自他ともに認める「日本で最も結婚詐欺案件を解決してきた探偵事務所」です。西川美和監督の映画『夢売るふたり』は結婚詐欺をテーマにした作品ですが、当事務所の青木がそのモデルになっています。
調査開始|ボイスレコーダーが捉えた「決定的な一言」
調査が始まった。
佐々山の家を知らない美樹さんに、まず佐々山を呼び出してもらう。ボイスレコーダーを持たせ、会話を録音してもらった。調査員は待ち合わせ場所で待機し、ブルーバードでやって来た佐々山が美樹さんを乗せて走り出した後を尾行した。
直行した先は、足立区のスーパー銭湯。
ボイスレコーダーを確認すると、しっかりと英語を教えている音声が入っていた。会話はほぼ、英語の指導に終始している。美樹さんには事前に「できるだけ結婚の意思を聞き出して」と指示していた。折を見て美樹さんがそれに触れると、佐々山はハッキリとこう答えていた。
「当然じゃないか」
結婚をちらつかせて金を引き出す。決定的な言葉が、録音されていた。
正体|無職のパチンコ狂いと、複数の女性
翌朝、スーパー銭湯から出て駅まで美樹さんを送った佐々山を、調査員が追った。足立区内の環状七号線を入ったところにあるワンルームマンションが、佐々山の自宅と特定。近くの駐車場に停めたブルーバードの横には、磨かれた新車のBMWがあった。美樹さん名義の、あのBMWだ。
駐車場周辺での張り込み調査を続ける。すると、佐々山の正体が次々と明らかになった。
案の定、仕事には行かない。ほとんどが新宿のパチンコ屋に朝から晩まで入り浸っている。昼間に佐々山を探すなら、新宿のパチンコ屋3件を回れば、たいていそこで目を剥いてパチンコ台に縋りついていた。
時折、朝8時頃からブルーバードで都内をぐるりと回ることがあった。途中、4〜5か所で停車し、車を降りて2〜3分して戻ってくる。これは、他に関わっている女性宅に手書きの「手紙」を配っていたのだ(字は妙に達筆だった)。同じような手紙を美樹さんも受け取っていたので、手紙配りが目的だとすぐに繋がった。
この頃から、知り合いのテレビ制作会社が調査に同行するようになった。
判明した佐々山の正体は、無職のパチンコ狂い。英語が堪能な理由は不明だが、マイクロソフトには勤めていない。そして、他にも騙している女性がいる。調査中、佐々山は2度ほどBMWで別々の女性2名と会っており、その女性たちの映像も、自宅も判明していた。
もう十分だ。美樹さんに昼間、佐々山を呼び出してもらい、直接対峙することになった。
対決|稲妻と轟音、そして般若の形相
佐々山は探偵の介在を知る由もなく、新宿のパチンコ屋近くの喫茶店を待ち合わせ場所に指定してきた。
当日は平日。午後3時の待ち合わせだったが、美樹さんはどうしても10分ほど遅れるという。テレビクルーは先に喫茶店に潜入し、一部始終を撮るために待機した。
3時ちょうど、パチンコ台にタバコを乗せて喫茶店に向かう佐々山。その姿も、探偵がしっかり確認済みだ。
美樹さんが遅れるため、仕方なく探偵が先に佐々山と会い、足止めをした。今日の事情を簡単に説明するも、佐々山は「美樹が来るまで何も話さない」の一点張り。おそらく、美樹さんなら言いくるめられる自信があったのだろう。
しばしの沈黙が続く。
そして、美樹さんが到着し、喫茶店のドアを開けた、まさにその瞬間――
映画のように、急なゲリラ豪雨の稲妻が走り、同時に雷の轟音が響いた。(嘘も誇張もなく、本当の話です)
しかし佐々山は、まるで万引きが見つかって親が迎えに来たときのような安堵の表情で、笑顔を浮かべた。
「美樹ぃ〜…」
美樹さんは、般若のような形相で、ツカツカと歩みを早める。佐々山に近づくや否や、思いっきり左手でビンタ。同時に、こう叫んだ。
「この詐欺師が!!!」
佐々山は1メートルほど横、隣のテーブルの椅子まで吹き飛んだ。(後で聞いた話だが、美樹さんは元テニス選手だったらしい)
それで、勝負はついた。佐々山は全てを認め、800万円のBMWを売ってローンを清算。さらに、別に借りていた現金400万円の返還も約束し、後に、賠償はすべて完了した。
TV放送、そして鳴った1本の電話
賠償も終わり、いよいよテレビのオンエア日を迎えた。平日の午後9時から、テレビ東京のスペシャル版で放送された。
当事務所では、従業員総出でテレビを観ていた。
放送が終わったほぼ同時に、事務所の電話が鳴った。
「今、テレビを観ていたのですが…あれ、佐々山ですよね…」
予感はしていた。電話を取った青木は、静かに言った。
「お電話、お待ちしておりました。明日、弊所へ来られますか?」(こちらからワザワザ「詐欺に遭ってますよ」とは探偵の矜持として言えるわけもない)
「行かせていただきます」
言葉少なに、電話は切れた。
その電話の主こそ――調査中、佐々山がBMWで会っていた、あの女性その人だった。
後から聞いた話だが、彼女は普段テレビ東京など観ないという。その夜はボクシングの世界戦や野球をザッピングしていて、偶然この番組に行き当たった。仕事帰りに何気なく眺めていたところ、モザイク越しの佐々山の短パン姿と、ぼかされた免許証の「三文字の苗字」に、見覚えがあった。まさかと思い、2ちゃんねるの実況スレッドを開くと、そこに当事務所の名前が書き込まれていた。それで、確信したのだという。
後日談|佐々山が乗っていた車の、本当の持ち主
翌日、その女性は約束通り事務所を訪れた。話を聞くうちに、背筋が寒くなるような事実が判明する。
美樹さんの調査中、佐々山が「セカンドカー」として乗り回していた、あの日産ブルーバード。あれは、この2人目の女性の車だった。
さらに驚くべきことに、佐々山が出会った当初に乗っていたBMW。あれもまた、この女性が美樹さんと全く同じ手口で買わされた、同じグレードのBMWだったのだ。
美樹さんを口説き、信用させるために使っていた高級車の数々。その正体は、別の女性から同じ手口で巻き上げた「小道具」だった。佐々山は、複数の女性に対して、同時並行で、寸分違わぬ同じ詐欺を仕掛けていたのである。
偶然が、いくつも重なって繋がった一本の電話。そして、いくつもの嘘が一本の線で繋がった瞬間。現実は時に、作り話よりもドラマチックである。
この事件が教えてくれること
「マイクロソフト勤務」「BMW」「流暢な英語」。一見、信用に足る肩書きや持ち物は、いくらでも演出できます。佐々山の正体は、無職のパチンコ狂いでした。そしてその高級車さえ、別の被害者から騙し取ったものだったのです。
また、今回のように「あなた名義でローンを組ませる」手口にも注意が必要です。名義人は支払い義務を負うため、相手に逃げられれば借金だけが残ります。
恋愛感情があるときほど、相手を疑うのは難しいものです。だからこそ、お金の貸し借りやローン、結婚の話が出た段階で、第三者の目を入れることが、ご自身を守る一番の方法になります。
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※個人情報保護のため、登場人物・場所等には一部修正を加えていますが、内容は実際の相談・調査をもとにしています。
結婚詐欺に関するよくあるご質問
Q. 相手が大手企業に勤めていると言っていますが、信用できますか?
A. 名刺や肩書きだけでは信用できません。今回の事例のように「マイクロソフト勤務」を名乗りながら、実際は無職だったケースもあります。勤務先の実態は、調査で確認することができます。
Q. 出会い系アプリで知り合った相手も調査できますか?
A. 調査可能です。出会い系アプリやマッチングアプリで知り合った相手による結婚詐欺は実際に多く発生しています。相手の身元・職業・婚姻歴・生活実態などを確認できます。
Q. すでにお金を貸したり、ローンを組んでしまいました。取り戻せますか?
A. 状況によりますが、可能性は十分にあります。今回の事例でも、現金400万円に加え、被害者名義で組まされたBMWのローン800万円、合計1,200万円分の被害を、調査で証拠を揃えることで解決に導きました。詐欺の証拠が揃えば、返済や賠償を認めさせられる場合があります。
Q. 相手が他の女性とも関係しているか調べられますか?
A. 調べられます。今回の調査でも、対象者が複数の女性と関係を持っていることが判明しました。行動調査により、相手の交友関係や二重三重の関係を明らかにすることができます。
Q. 録音した会話は証拠になりますか?
A. なります。今回の事例でも、結婚の意思を確認した会話の録音が、決定的な証拠の一つになりました。当事者間の会話を当事者が録音することは、有効な証拠として扱われる場合があります。
Q. 足立区周辺で結婚詐欺の相談はできますか?
A. はい、当事務所は足立区に本社を構え、東京全域・全国に対応しています。結婚詐欺の調査実績は豊富にありますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。



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