浮気調査の実録|「別れられません」と告げた浮気相手、その後の結末

浮気調査の実録|慰謝料請求でも終わらなかった、不倫関係の記録

慰謝料を請求されても、警察沙汰になっても、それでも別れない——。今回お話しするのは、30年の探偵人生でも異例づくしだった、ある不倫カップルの記録です。「今後の接触を禁じる」と告げられた浮気相手の男が返した、まさかの一言。そして、不倫カップルが2人そろって取った、私が30年間で経験した中でも、かなり異例の行動。深みにはまった男女の心理とは、どういうものなのか。最後に、私なりの見解もお話しします。

眠る夫と、動き出す妻

依頼者は、結婚20年目の夫だった。卸売市場で働く、実直な男性である。仕事柄、夜8時には床につき、朝3時には職場へ向かう。そういう生活を、何年も続けてきた。

妻は45歳。年齢のわりに若々しく、整った容姿の女性だった。その妻が、社内がらみの不倫をしている——夫は、そのおおよそをすでに把握していた。相手は、妻の会社の取引先に勤める、15歳も年下の男。妻は、夫が眠りについてから、動き出すのだ。早寝早起きの夫の生活リズムは、皮肉にも、妻にとって都合のいい時間割になっていた。

それでも、夫は言った。「離婚する気はありません」と。関係を清算させ、夫婦をやり直す。そのために客観的な証拠がほしい。そういう依頼だった。妻の浮気調査が、こうして始まった。

これほど脇の甘い対象者も珍しい

調査を始めてすぐ、我々は拍子抜けした。これほど脇の甘い対象者も、珍しいのだ。

2人は、いつも同じラブホテルを使う。それどころか、ホテルの前で待っていれば、必ず同じような時間に向こうからやって来て、同じような時間に出てくる。まるで定期便である。警戒心というものが、まるでない。恋愛に夢中な人間は、ここまで周りが見えなくなるものかと、逆に感心すらした。

ホテルの出入りを3回撮影し、若い男の氏名も自宅も特定した。証拠は、十分すぎるほどそろった。

依頼者の仕事終わりは昼過ぎなので、午後一番に事務所へ来てもらい、報告書を見せた。そこに写っていたのは、若い男と腕を組み、肩を寄せ合ってホテルから出てくる妻の姿。男の車に乗り込み、すぐには発進せず、車内で熱いキスを交わす2人。男が妻を送る際には、依頼者と妻が暮らす自宅近くの国道4号線にハザードを点けて車を停め、またも抱き合う。その一部始終を、探偵のカメラは見逃していない。

ページをめくる依頼者から、押し殺したイライラが、こちらにまで伝わってきた。

「それは、出来ません」

翌々日、弁護士を紹介して同行し、浮気相手へ慰謝料請求の内容証明を送る段取りを整えた。あとは粛々と進むはずだった。

ところが数日後、弁護士から連絡が入る。「浮気相手が、どうやら内容証明の受け取りを拒否している」というのだ。依頼者のストレスは、ここで爆発した。「直接会って来る!」と言い出したのを、懸命に止めた。なにしろこの依頼者、空手7段である。直接行かせるわけにはいかない。弁護士に無理を言い、男が仕事に出る朝8時に、弁護士・探偵・依頼者の3人で、男の自宅へ内容証明を直接持って行くことになった。

朝8時。出勤してきた男を捕捉し、弁護士が話し始める。依頼者は、怒りで顔を真っ赤にし、手が小さく震えていた。男は、一見、真面目そうな態度で聞いていた。だが、弁護士が「今後、一切の連絡、面会、接触を禁じる」と告げた、そのときである。あろうことか男は、か細い声で、こう言ったのだ。

「それは、出来ません」

弁護士も私も、一瞬、言葉を失った。慰謝料を請求され、弁護士に接触禁止を告げられたその場で、「別れられません」と明言する浮気相手に出会ったのは、私も初めてだった。

弁護士と探偵の間に立っていた依頼者は激昂し、男の胸ぐらをつかみかけた。咄嗟に2人で制止する。空手7段の腕が本気で出ていたら、洒落にならないところだった。依頼者の興奮は収まらず、我々の手にも負えない。その日は、一旦撤収することにした。

不倫カップルが、2人で被害届

その夜、依頼者に警察から電話があった。聞けば、妻とあの男が、2人そろって警察へ被害届を出しに行ったというのだ。「5人の男に囲まれた」など、実際の人数とは異なる説明をしていたようだった。実際にいたのは、弁護士と探偵と依頼者の3人である。

電話をかけてきた刑事も、驚いた様子だった。「この仕事をしていて、不倫しているカップルが一緒に被害届を出しに来たのは初めてです」と。そして、こう付け加えたという。「私が言うことでもありませんが……お別れになった方が、良いのでは」。

妻と浮気相手が、手を取り合って警察に駆け込む。夫への後ろめたさは、もはや微塵もない。この時点で、2人の関係は、常識の物差しでは測れないところまで来ていた。

示談、それでも終わらない関係

その後、相手側も弁護士を立て、話し合いの末、慰謝料150万円で示談の運びとなった。法的には、ここで一区切りである。普通なら、関係も終わる。

ところが、1ヶ月後。依頼者から、半泣きの声で電話があった。すぐに会ってほしいという。事務所に来てもらって話を聞くと——いまだに、2人の関係は続いているらしいのだ。

妻は家ではいつも上の空で、流行り病にでもかかったような様子だという。明らかに、様子がおかしい。もちろん口もきかない。依頼者の仕事時間の関係で、もともと顔を合わせることも少ない夫婦ではあったが、その距離は、もう埋めようのないところまで開いていた。

再度、調査に入った。結果は、火を見るよりも明らかだった。それどころか、2人の関係は、以前よりも一層、濃密になっているように見えた。慰謝料も、警察沙汰も、この2人には何のブレーキにもなっていなかったのだ。

そして、依頼者は——無念にも、別居から離婚へと進むことになった。あれほど「離婚する気はない」と言っていた人である。その決断までの胸中を思うと、今も言葉が見つからない。

この不倫カップルの深層心理を考える

この案件は、30歳の真面目そうなサラリーマン男性と、45歳の妻との不倫劇でした。慰謝料を請求されても、警察沙汰になっても、2人は別れなかった。正直に言えば、その心の深層までは、私にも分かりません。ただ、30年間、数えきれない不倫を見てきた経験から、いくつか思い当たることはあります。

ひとつは、障害が恋を燃え上がらせる、という人間の性です。周囲に反対されるほど恋心が強まる心理は、昔から知られています。「慰謝料を請求すれば、普通は別れるのでは」と考える方は多いのですが、実際には関係が続いてしまうケースもあります。慰謝料請求も、弁護士の警告も、この2人にとっては「引き裂こうとする外敵」のように映り、かえって2人の結束を固める燃料になってしまったのかもしれません。2人そろって被害届を出しに行くという行動も、「共通の敵」を得た者同士の、ゆがんだ連帯の表れだったように感じます。

もうひとつは、年齢差と背徳感です。15歳年下の真面目な青年にとって、年上の妻は、日常では手の届きにくい存在だったのかもしれません。妻のほうも、40代半ばで若い男に求められることが、何かの支えになっていた可能性もあります。許されない関係であること自体が、2人の関係を強めていたと考えると、あの「それは、出来ません」という一言にも、説明がつく気がします。

恋愛の熱は、本人たちの中で冷めるまで、周りが何を言っても届かないことがあります。法律も、お金も、警察も、燃え盛っている最中の2人を止める力にはならない。それを、これほど思い知らされた案件はありませんでした。ただ、経験から言えるのは、こうした熱は永遠には続かないことが多い、ということです。不倫関係では、背徳感そのものが関係を強めているケースも見られます。もし2人が正式な関係になれば、その高揚感が薄れていく可能性はあるでしょう。その後の2人がどうなったのか、私たちは知りません。

そして、依頼者のことです。彼は最初から最後まで、夫婦をやり直すことだけを望んでいました。その願いが叶わなかったことは、残念でなりません。ですが、2度の調査で突きつけられた事実が、彼に決断をさせた。出口のない我慢を何年も続けるより、事実を見て見切りをつける。それもまた、自分の人生を取り戻すための、ひとつの答えなのだと思います。

配偶者の不倫に悩み、相手と別れさせたい、あるいは今後どうすべきか迷っているなら、まずは事実を確かめることから始めてください。東京・足立区を拠点とする弊社では、初回のご相談を無料で承っています。まずは無料相談フォームから、お気軽にご連絡ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 慰謝料を請求すれば、浮気相手と別れさせることはできますか?

A. 多くの場合、慰謝料請求と接触禁止の申し入れは、関係を終わらせる強い圧力になります。ただし、今回のように関係が続いてしまう例も、まれにあります。その場合も、再度の証拠確保や慰謝料の追加請求など、次の打ち手はあります。状況に応じてご提案します。

Q. 内容証明を受け取り拒否されたら、どうなりますか?

A. 受け取りを拒否されても、あきらめる必要はありません。弁護士を通じて別の方法で通知するなど、対応の手段はあります。今回のように、弁護士が直接出向いて伝えるケースもあります。詳しい進め方は、弁護士と連携してご案内します。

Q. 示談が成立した後も浮気が続いた場合、どうすればいいですか?

A. 再度調査を行い、関係が続いている証拠を確保することで、追加の慰謝料請求や、離婚を有利に進める材料にできます。示談の際に「再発した場合の違約金」を定めておく方法もあります。弁護士と相談しながら進めるのが確実です。

Q. 配偶者と浮気相手が逆上して、トラブルになることはありませんか?

A. 感情的な対立に発展するケースはゼロではありません。だからこそ、ご本人同士が直接対峙するのは避け、弁護士や探偵といった第三者を間に入れることが大切です。冷静な交渉の場を整えることも、私たちの役割のひとつです。


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本記事は実際の調査に基づく記録ですが、依頼者および関係者のプライバシー保護のため、氏名・地名・日時など個人を特定しうる情報は伏せ、もしくは変更しています。

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