探偵による浮気調査 実例 最終章

探偵による浮気調査 実例 最終章

前回までのあらすじ。

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会社の接待といって、北海道の札幌へ出張だという夫。自宅のパソコンと夫のスマホが同期されていて、出張の飛行機を予約した返信メールを見つけた妻である依頼者。そこにはご丁寧に往復の飛行機の便名から搭乗者の名前が記されていた。

 

夫の会社の社長と夫の名前に続いて、みたことの無い女性の名前が2名。夫は会社の専務取締役で、妻である依頼者は会社の女性社員の氏名は把握しているが、その中の誰でも無い。夫が専務を務める会社の社長は夫の同級生でもあり、当然 夫の会社では社長ではあるが、プライベートでは悪友のひとり。

 

これは不倫旅行だと確信した妻は、青木ちなつ探偵調査にこの不倫旅行の調査を依頼した。

 

調査は難なく、鉄壁のスキルを持つ探偵3人の手によって、夫が女性と2人きりでホテルの部屋へ入って行くところまでは撮れ。1日目の調査はが終わろうとしていた。

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「よし、今日はこれくらいにして飯食いに行こか」と青木がいう。時間はまだ20時を過ぎたばかりだが、早朝から張り詰めた仕事をしていたせいか、終わりとなると気に掛けていなかった緊張から解放される、なんとも形容し難い安堵感が身体をほぐす。

 

 

明日も朝早くからこの不倫グループを追いかけて東京まで帰らなくてはいけない結構タフな状況は続くが、一晩寝ればどうってことはないことをこの熟練の探偵達は知っている。

 

 

幸い、不倫グループ達と同じホテルでシングルの部屋が3つ取れたので、毒蛇レンタカーをホテルの駐車場に停め、少しばかり歩いたところの居酒屋風の店へ入る探偵達。

 

 

北海道に来ているという、旅行気分も相まって探偵達は疲れなどは感じて居なかったが、酒が入ってくると普段より酔いの周りが早いのか、飲み過ぎているのかよく分からないが、24時のラストオーダーまで北海道の幸を堪能し、そのまま千鳥足でホテルへと帰って、眠りについた。

 

 

翌朝、6:00に目を覚ました青木はシャワーを浴びてから梅田に電話をすると、もうホテルの玄関先で毒蛇レンタカーで中村と一緒に張り込みをしているとのこと。青木も帰り支度を済ませ、忘れ物がないかを確認し、梅田と中村が乗っている調査車両へ乗り込んだ。

 

 

そして朝9:00を過ぎたころ、不倫グループ達がホテル玄関から荷物を持ってゆっくり談笑しながら出て来るのが見えた。当然 梅田と中村のカメラはそれを収めている、ここが肝心なところなので絶対に撮りこぼしの無いよう気は張っていたが難なく撮れたので、後はオマケの様なものだ。ただ、探偵としては最後の最後まで、完結するつもりなので一切の妥協は許されない。

 

 

依頼者に一点の有無も言わさない報告書を作るのが探偵のプライドなのだ。

 

 

浮気の証拠はホテルに入るところと出るところ。これがワンセットで『不貞行為』の構成要件(裁判で勝てる証拠)を満たす。本件の場合には不倫カップルでは無く、『不倫グループ』なのでそれだけでは少々弱いところもあるが全体の流れがシッカリ撮れていることと、本命の専務。つまり依頼者の夫がもう1組の社長カップルと別行動をし、1人の女性と2人で同じ部屋へ入ったところが撮れているので、条件は整った。

 

これが、不倫グループ達全員が8階で降りたということを目視出来ているのは、エレベーターがその階で停まったということだけ。仮に弁護士から慰謝料請求の内容証明を送りつけても、相手側が徹底抗戦して来た場合。

 

「みんな別々の部屋を取っていた」と言われると、裁判にまでもつれ込む可能性も無きにしも非ず。出来れば内容証明送付で弁護士が話し合いで終わらせるのが一番の理想である。

 

この調査の大きなポイントは上述したように、梅田が部屋に入って行ったところを撮ったことで、断然強い報告書が出来る。ましてや、探偵達もこのホテルの客なので建物内であろうが探偵達にはここに居る権利があるので、不法潜入にもならない。これが、熟練探偵達のチームワークがなせる技なのだ。

 

 

話を現場にもどそう。

 

ホテルを出た不倫グループ達が楽し気に歩いて行くのを、梅田 中村両探偵が徒歩尾行する。タクシーに乗られることを想定し、青木の運転する毒蛇レンタカーがジリジリと、その後を停まっては動きを繰り返しながら視界からは外さない。

 

 

しかし、この不倫グループは良く歩く。最初の話では「この人達はお金持ちだからタクシーを頻繁に使う」といった情報とは違い、昨夜 、こ汚い焼肉屋から出て来たときこそタクシーに乗ったが、基本徒歩。それどころか、空港バスを使うという何等一般庶民と変わらぬ行動パターン。

 

 

ホテルを出て歩き出した、その一本道の突き当りに札幌駅があり、そこに入った不倫グループ達が小樽行きの切符を買っていると梅田から青木にLINEが入った。青木は「改札を抜けてホームに行ったら連絡して、そのままオレは小樽の駅に向かうから」とLINEを返す。

 

そして梅田からホームに入った連絡を受け、青木はなんとかナビの操作が出来て小樽駅へと向かった。

 

 

北海道の道路は車が少なく1本道が多い為、ついついスピードを出してしまう。何度かそれに気づいたので、アクセルを緩めるが、知らぬ間にまたスピードが出てしまう。そうこうしているうちに梅田から「小樽駅到着」とLINEが入る。青木はもう10分のところなので、そのまま既読をつけたまま小樽駅に直行した。

 

 

不倫グループ達は小樽で暫くウロウロするだろうが、帰りの飛行機に間に合う様に新千歳空港に来るのは間違いない。下手に車で小樽辺りをウロウロしていれば、尾行している2人の探偵は間に合うが、このポンコツレンタカーを返さなければいけない手間を考えると、このまま新千歳に先回りすることが合理的だということで、小樽で梅田 中村両探偵と合流し新千歳に先回りすることにした。

 

 

梅田が「これ美味いですよ」と、青木に白いパックに入った鳥の唐揚げを差し出した。

 

「何これ?」

 

梅田が「対象達が今いるところの唐揚げ屋からテイクアウトして来ました」と笑う。

 

青木は一口かじると「熱っ!でもうまい!。でもサ、美味いけど北海道まで来て昼飯に唐揚げってなぁ・・。海鮮とかじゃないんかな?」

 

そんな話をしながら、毒蛇車はガソリンを入れて千歳空港近くのレンタカー屋へ車を返却し、昨日と同じ送迎用のバスで空港まで送ってもらった。

 

空港に着いた3人の探偵達だが、出発まで3時間近くある。風呂好きの梅田は千歳空港内にあるサウナ風呂に行ってもいいか?と青木に聞き、止める理由もない青木は

 

「お、行っておいで」とふたつ返事。本屋さんの好きな青木は

 

「オレそこの本屋で遊んどくから」と言って梅田と中村両探偵はサウナへと向かった。

 

青木はページ数が少ない歴史ものの文庫本を買って、空港内の椅子にもたれ時折時計に目を落としながら半分ほど読んだころで、不倫グループの姿を確認した。

 

梅田の携帯に電話するも出ない。「いつまで入っとんねん」と思いながら、次はエース探偵の中村に電話をするも、こっちも出ない。青木は疲れからか少々疲労を感じていたこともあって、少しイライラしてきた。

 

 

何度もかけ直すが、一向に出ない両探偵。仕方無く、カメラを持って青木ひとりで不倫グループから少し距離を取って尾行する。

 

 

そろそろ、不倫グループ達が搭乗口のゲートをくぐろうと、並び出したが未だに両探偵からの返事がない。搭乗券は中村が持っているので、青木はそこに入れない。日本の飛行機は世界でも類をみないほど正確な時間に離陸するが、時間前に飛ぶことは無いにしろ、時間だけには神経質な青木は余計にイライラして来た。

 

 

出発、20分前になってようやく2人の探偵が悪びれる素振りも見せず、青木に電話もせずに現れた。イラついてる様子を極力見せない様に青木は「もう入ったぞ」と両探偵にいうと。

 

 

搭乗手続きは今、スマホでピッとすれば、そのまま入れるが青木がイラ立つのは、何かの不具合が起こることで時間をくうことが無いとも限らない、青木は若干年をくっているせいか、そのスマホのワンタッチ方法が今ひとつ分かってなく搭乗券をゲートの手前で差し込み1m程先で出てくるものだと勘違いしていたので、中村が搭乗券を持っていると思い込んでいたのだ。

 

帰りの便は不倫グループ達と少し離れていたが、降りてからは一直線なのでなんの不安もなかった。そして飛行機は着陸態勢に入り、みごとなランディングで到着。「グウオー!!」と音を立てて逆噴射しながら飛行機の勢いを止めてから止まったと同時に乗客達は一様に立ちあがり、上部の荷物入れから荷物を出し、1人ずつ降りて行く。

 

 

不倫グループ達とは少しだけ距離があったけれども、梅田と中村探偵は降りてから小走りで、動く歩道に乗って移動している人混みの中から不倫グループ達を中村探偵が見つけ歩みを緩めるが梅田はそれを見過ごしたのか小走りを続けている。

 

 

その時点で青木は不倫グループ達の間に2人ほど挟んだ後ろに着いていた。その後、梅田から青木の携帯に電話が入る。「居ないです!」

 

青木は「ここに居てる。お前は出口付近にそのまま居ってくれ」と指示をだした。

 

不倫グループ達は、お土産を千歳空港に着いた時点で宅急便で送っていたので、手荷物が流れてくるベルトコンベヤーの前で待つこともなく、真っ直ぐ出口から出た。

 

 

そして、駐車場で不倫グループは2組に別れ、社長は自分のパートナーを車に乗せ、調査対象者である依頼者の夫は自分のパートナーをベンツに乗せて、双方の車が動き出したところで、探偵達は調査車両に乗り込み発進した。

 

予約駐車場に無断で駐車してあったことを別段、咎められることも無く駐車料金を支払いベンツを追う探偵車両。

 

 

平日ということと時間の関係もあって首都高は渋滞している。その中をベンツは右に左にと隙あらば的にあちゃこっちゃと、せわしない運転をするが同じ様についていってはバレてしまうので、ここが探偵の車両尾行の腕の見せ所。

 

 

運転は梅田がしている。助手席に青木後部座席に中村が座り、それぞれの視界から役割分担をする。途中で首都高の右端と左端に別れた時、青木と中村がベンツの動きを注視する。

 

 

最近の車のフロントは良く似た車種が多く、一瞬では見分けがつかない。頼りはナンバープレートだけ。左端を1台の黒いベンツが走り抜けた。

 

「あれやろ!」と青木がいう。

 

「ナンバー3355でした?」と梅田が慌てて聞く。

 

「あのな・・、並行に走っててこんだけ車があるのにナンバーなんか見えるかね?」

 

少し顔色の悪い青木が押さえ気味にいうが、結構 機嫌が悪そうに聞こえる。

 

ほどなくして雨が降ってきたが、用賀出口でベンツが降りる気配をみせると同時に

 

「用賀で降りよるぞ」と青木が言うが早いか梅田はベンツの真後ろに付き、首都高を降りるベンツを追う。

 

浮気の現場を押さえてあるのになぜここまでしてベンツを追うのかというと、探偵の専門用語で浮気相手のことを『接触者』と呼ぶのだが、この接触者がどこの誰だか分からなければ依頼者である妻が慰謝料請求を誰にしていいのか分からなくなるので、接触者の住居地を突き止めるまでが、本件のミッション。

 

辺りが暗くなり始め、首都高を降りてからの尾行はひと段落ついた。荒っぽい運転の上に渋滞区間が長かった首都高の尾行には少々手を焼いたが、そのまま尾行を続けて接触者である女の自宅も特定しミッション終了となった。

 

この時、初めて青木自身に熱があることを自覚したが口には出さなかった。

 

探偵達が事務所について解散。青木は自宅に戻り嘔吐と熱に下痢・・・。

 

生ラム屋の半生が大当たりしていたようで、それから3日間トイレに居る時間の方が長かった。また、青木のイライラの原因もここにあったのだ。

  完

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