
探偵による浮気調査 実例②
探偵による浮気調査 実例①のラスト
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「ん・・なんじゃ・・」こっちの中村探偵が運転する調査車両は入口のゲートに入ってしまったが、相手車両は出口から外へ出てしまう。このままでは、かなりのタイムラグが出て見失うのは必至。
別に車を見失っても、搭乗口で待って居ればいいのだが、ただ 帰りに浮気相手を送って行くだろうと想像しているので、明日の浮気相手の女性の身元特定をするのに、調査対象者の駐車移置の近くに停めて置きたい。それと、急遽別便に予約変更をした可能性もゼロでは無い。
早くも本件調査での焦りが、探偵達を乗せた車内を支配する。
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調査車両は駐車場のゲートをくぐろうとし、発券を待っていた状態だったのと、後ろに2台の車も待っているので、バックをして引き返すことも出来ない。
仕方無く、一度駐車場内に入りそのまま直ぐに折り返し、表に出た。羽田空港の第二ターミナル駐車場は、もう一棟あり相応に複雑な建物。一度出てもう一度グルッと周り、駐車場の中を社長の白いハイエースと共に両方を探すも見当たらない。
いずれにしても、搭乗時間にはまだ1時間半以上ある。何度もグルグルと駐車場内を探すもベンツは見当たらない。30分以上の時間が経過した。普段は概ねこれくらいの時間をかけて探せば見つかるのだが、見当たらない。
一旦、調査車両を停めて探偵3名が調査車両から出て色んな可能性を想像しながら、「もう一回周って無けりゃこの辺りに停めて搭乗口に行くか・・」
「あった!!」
探偵 梅田が思わず叫んだ。
3名の探偵が話しをしていたのは、駐車場の端で塀が網目になっていた。その隣の棟の塀も網目になって居り、探偵達から見て隣の棟の2階上の網目から、ベンツ後部のナンバープレートが見えたのだ。
何度か駐車場を出たり入ったりしている時に確か、「一般車両進入禁止」と書かれた入口がひとつだけあったことを探偵3名ともが記憶していた。
「あそこか!!」探偵達は自然と笑顔がこぼれる。慌てて調査車両に再び乗り込み、その「一般車両進入禁止」の看板の横をすり抜け、ベンツが駐車してある場所を特定。よくよく説明書きを見ると「予約社専用駐車場」と小さな看板があった。
なるほど。ベンツに乗った依頼者の夫である調査対象者も、それが分からず迷って一旦、一般の駐車場に入って行き、間違いに気付いたのか、社長と連絡を取って分かったのかは不明だが。ベンツも迷っていただけだと結論付けた。おそらく調査対象者が間違えたのだろう。飛行機の手配はこの夫が全てしていたのだから。例え悪友の同級生であっても、専務と社長の主従関係は当然出て来るだろうから、全ての段取りは調査対象者の夫がしていると考えるのが普通であろう。
ベンツから、一本レーンを外れたところに社長のハイエースが駐車してあるのも直ぐに確認が取れた。
「ここは予約車だけのスペースですよね。どこに停めます」と、若手のホープ探偵中村がいう。少し考えた青木が
「かまへん。ここのどこかに停めよ。怒られたら謝ればいい、別に法律違反している訳でも無いし全日空のハウスルールやし、予約料金請求されても、対した金額でも無い。知らなかったっていえばそれで話しは終わる。いずれにせよ帰りの調査対象者の女の家を特定するには仕方無い」
いずれにせよ、不倫グループはもう空港内にいる。こんなところでモタモタしている場合じゃない。
結構、予約駐車場はガランとしていて空きスペースも多い。ベンツと社長のハイエース両方が見える場所を探して調査車両を駐車し、そのまま空港カウンターへ急いだ。
手続きを終えて搭乗口に急ぐ探偵達。
搭乗時間まで40分程度あったが、不倫グループ達は見当たらない。そして搭乗案内が始まった。
青木が「オレ、先に搭乗しておくからあんたら2人はギリギリまで、搭乗口の待合椅子のところで見ていてくれ」
そう言い残して、青木は先に搭乗した。チケットも不倫チームと出来るだけ近い場所を指定していたので、不倫チームが予約している席から後方15mのところで、不倫チームが搭乗してくるのを待った。
9割方の乗客が搭乗したが、不倫チームは来ない。青木は不倫チームが入って来ずに、CAが扉を閉める寸前に降りるつもりで、状況把握に神経を傾けていた。
その後、直ぐに品の無い笑顔で不謹慎を絵に描いた様な不倫チームが搭乗して来るのを確認した。他の搭乗者が荷物を座席上の棚に入れたりと狭い通路で自分の段取りに集中している乗客達のドサクサ紛れに不倫チームの姿をくまなく撮る。
社長も対象者の依頼者の夫も会社を出る時の服装では無く、完全に「これから北海道旅行でっせ」といわんばかりのラフな服装に着替えていた。
そして、その不倫チームの後ろから探偵、梅田と中村が乗り込んで来た。
情報上、こうなることは承知していたが、探偵業は時として不思議な現象に遭遇する為。青木は安堵した。
そして、1時間少しで新千歳空港に到着した。
不倫チームはファーストクラスなので一番前の席。探偵達はその後方。
青木は最初の段取り通り、レンタカーを取りに行く為、到着して直ぐに人を押しのけて一番前の扉の前で待つ。扉が開いた瞬間にダッシュしながら、レンタカー屋に電話をして直ぐに迎えに来る様指示した。
ところが、レンタカー屋がいう「グレーのハイエースです5分で到着します」が、イザ空港の外へ出ると同じ様な色のそれぞれのレンタカー屋の送迎バスが停まっている。全く区別が付かないので、またレンタカー屋に電話を入れる。一刻を争う事態なので自然と青木の言葉も焦りで荒くなる。
「グレーのバンってどれやねん!6台くらい停まってるやんか!」と、実際は3台ほどだったが少々盛った。
「〇番の空港バスの後ろのです」
「今、〇番の空港バス見えるけどそんな車停まって無いやん!」
「あ、まだ着いてません」
「それ先に言いや!」
「まだ5分経ってないですよ・・」
「・・・。分かった」そう云うしかなかったが不倫チームのレンタカーと少しでも時間の差を付けたい、勝負ところなので1分が10分にさえ感じた。
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